松居慶子はアメリカのスムース・ジャズ・シーンにおいて、もっとも高い人気を誇る日本人アーティストだ。
5歳からクラシック・ピアノをはじめ、10代でプロ活動を開始。YAMAHAお抱えピアノ・グループ"COSMOS"の一員だったが、86年、尺八奏者/プロデューサーである松居和との結婚を機にL.A.へ。ハネムーン資金用の300万円で、自主制作アルバム『水滴』を作ってしまい、これがFMラジオで大ヒットしたという強者だ。この成功にのって、次々とスムース・ジャズ作品を発表し、ヒットを連発。特に、98年の『フルムーン・アンド・ザ・シュライン』は、ビルボード・チャート第2位にランクインした。――その、童謡のようにシンプルで心をうつメロディは、"天からのお告げ"のごとく舞い降りてくるらしく、深い藍をたたえた湖さながらに清楚な輝きを放っている。また、夫のプロデュースによってシンセ/打ち込みを導入し、さらに奥行きがある音世界を構築しているのだ。
昨今では、フュージョン界の巨匠ボブ・ジェームスと"4 hand piano"ワールド・ツアーを敢行。ジャズでは珍しい"連弾"というフォーマットの演奏で好評を博した。この共演によって、日本での知名度も一気に上がってきている。