昨秋からの3ヶ月連続シングルで、従来の英語詞から日本語詞への変換に挑戦したUNCHAIN。完成したこの2ndアルバムでも、果たして10曲中6曲が日本語詞。『Music is the key』なるタイトルは、70年代に活躍したスピリチャル・ジャズの才人、ウェルドン・アーヴィンの必殺フリーソウル曲から付けたそうだが、正に音楽を鍵として人々が繋がるポジティヴなヴァイブに満ちた作品となっている。広範なリスナーに聴かれるべく日本語詞を取り入れたという以上に、“伝えたい”と“音楽愛”が渾然一体となった結果、より開かれた印象があるのだ。もちろん、高い音楽性を評価されているバンドだから、前作と同様にマニアックな音楽ファンに応えるだけの演奏力もある。ソウルやファンクを基調としたタイトなグルーヴも、洗練されたアレンジも、よく伸びる谷川正憲のハイトーン・ヴォイスも、とてつもなく魅力的。
ファンキーなギター・カッティングとメロディアスなベースで進行し、フュージョン風のギター・ソロを経て、変拍子の嵐に突入するM-3「Turn Off The Light」など、スティーリー・ダンもかくやのカッコよさである。他にも、爽やかな空気感で誰にも等しく訪れる朝を描くM-1「Good Morning」、ポップなメロディがキラキラと弾けるM-2「Across The Sky」、化粧品のCMに流れそうなくらいメロディが立った歌謡ロックのM-8「Farewell blossom」、ファンキーなシャッフル・ビートに谷川のファルセットがセクシーに絡むM-9「Tonight's The Night」、ジャズ・コンボ風のM-10「Places In The Heart」など、バラエティ豊かな楽曲揃いで、1曲たりとも捨て曲なし。真面目な話、70年代のシュガー・ベイブや、90年代のオリジナル・ラヴの衣鉢を継ぎ、更にその先へ行く可能性すらある、和製ポップ・ソウル・バンドではなかろうか。(青雪吉木)